光回線とは？メリット・デメリットや選び方も解説

光回線はインターネットを使う上で重要ですが、種類や選び方が複雑で迷ってしまう人も多いと思います。

そこで、この記事では光回線とは何か、メリット・デメリット、選び方のポイントなどについて詳しく解説していきます。

 

光回線とは？種類と導入時の仕組みをわかりやすく解説

光回線とは何かについて、以下の2つに分けて解説します。

光回線は3種類ある

光回線は3種類あり、それぞれ異なる特徴を持っています。主な光回線の種類は以下の通りです。
※表は左右にスクロールできます

フレッツ光と光コラボレーションは全国で提供されているのに対し、独自回線は一部エリアに限定されています。

光回線導入時はプロバイダ契約も必須

光回線導入時はプロバイダ契約も必須となります。プロバイダとは、回線をインターネットにつなげる事業者のことです。

光回線事業者は通信に必要な光ファイバー網の提供までを行うため、インターネットに接続するには、IPアドレスの発行などを担うプロバイダーとの契約が欠かせません。

両者がそろってはじめて、インターネットを利用できるようになります。

光回線の用途とは？家庭・オフィス・店舗用の特徴

光回線の用途には以下の3つがあります。

それぞれの特徴について解説します。

家庭用

家庭用光回線は、家族みんなでインターネットを快適に利用することが主な用途です。SNSや動画の視聴やオンラインゲームなどのコンテンツを快適に楽しめます。

データ容量を気にせずに利用できるため、インターネットをたくさん使う人や、家族みんなでインターネットを使う家庭でも安心です。

また、Wi-Fiルーターを使用した際も通信速度が速く維持されるため、複数のデバイスで同時接続しても快適に利用できます。

オフィス用

オフィス用光回線は法人向けに設計された通信サービスです。複数の従業員が同時にインターネットを利用するビジネス環境において、混雑時でも通信品質が保たれるため業務効率が向上します。

家庭用とは異なり、24時間365日のサポート体制、固定IPアドレスの提供、セキュリティオプションなどビジネス特有のニーズに対応しています。

店舗用

店舗用光回線は、顧客サービスの向上と業務効率化の両方に貢献します。Wi-Fi環境の提供により顧客満足度を向上させることができ、同時にPOSシステムやキャッシュレス決済システムの安定稼働も可能です。

在庫管理システムや予約システムなど、店舗運営に必要な各種システムの安定稼働にも光回線の高速通信が活用されています。

光回線と他回線の違い

光回線と他回線の違いについて、以下の5つに分けて詳しく解説します。

ISDNとの違い

ISDNと光回線の主な違いは通信速度です。ISDN（総合デジタル通信網）はデジタル信号を使用しますが、最大通信速度は64～128kbps程度の低速通信になります。

対して光回線は光ファイバーを利用し最大1Gbps以上の高速通信が可能で、ISDNの数千倍の速度を実現します。

現在ISDNサービスは段階的に終了しているため、新規申し込みは受け付けていません。

ADSLとの違い

ADSLと光回線の違いは安定性に顕著に現れます。ADSL（非対称デジタル加入者線）は既存の電話回線を利用したブロードバンドサービスで、最大通信速度は数十Mbps程度です。

ADSLは基地局からの距離により速度が低下しますが、光回線は長距離でも品質劣化が少ない特徴があります。

ADSLも新規申し込み受付を終了しているため、光回線やモバイルWi-Fiなどへの乗り換えを検討する必要があります。

CATVとの違い

CATVと光回線の違いは使用する伝送路と通信品質です。CATVはケーブルテレビの同軸ケーブルを利用してインターネットサービスを提供し、テレビ視聴とインターネット利用を同一ケーブルで行います。

光回線は光ファイバーケーブル専用の伝送路を使用するため、一般的にCATVより高速で安定した通信が可能です。

ホームルーターとの違い

ホームルーターと光回線は接続方式に大きな違いがあります。ホームルーターは無線電波を使用するため工事不要で導入が簡単ですが、電波干渉により速度が不安定になる場合があります。

一方、光回線は光ファイバーケーブルによる有線接続のため開通工事が必要ですが、電磁波の影響を受けず安定した高速通信が可能です。

モバイルWi-Fiとの違い

モバイルWi-Fiと光回線の主な違いは接続方式と利用場所です。モバイルWi-Fiは無線電波を使用するため工事不要で持ち運び可能ですが、データ容量制限があり通信速度が不安定になる場合があります。

光回線は有線接続の開通工事が必要で自宅のみでの利用となりますが、データ容量無制限で高速かつ安定した通信を実現します。

光回線を導入する7つのメリット

光回線を導入する7つのメリットについて詳しく解説します。

最大1Gbps以上の高速通信を利用できる

光回線を導入するメリット1つ目は、最大1Gbps以上の高速通信を利用できることです。一般的な光回線サービスは上り・下りともに最大1Gbpsですが、一部事業者では最大5Gbpsや10Gbpsなど超高速サービスも提供されています。

各回線の通信速度比較表は以下の通りです。

回線種類	最大通信速度
光回線	1Gbps〜10Gbps
ホームルーター	150Mbps程度
モバイルWi-Fi	150Mbps程度
CATV	数百Mbps程度
ADSL	数十Mbps程度

この高速通信により高画質動画視聴やオンラインゲームなど大容量データ通信も快適に利用できます。

通信が安定している

光回線を導入するメリットには、通信が安定していることも挙げられます。光回線は自宅まで光ファイバーケーブルで有線接続され、光信号で通信するため電磁波の影響を完全に回避できます。

各回線方式の安定性比較は以下の通りです。
※表は左右にスクロールできます

この優れた安定性により、重要なオンライン会議やテレワーク中でも通信トラブルの心配が少なく、信頼性の高いインターネット環境を提供しています。

電話回線（光電話）も契約できる

光回線を導入するメリット3つ目は、電話回線（光電話）も契約できることです。多くの光回線事業者が光ファイバーを利用した固定電話サービス「光電話」を提供しています。

従来のアナログ固定電話が月額税込2,000円前後かかるのに対し、光電話は税込550円程度から利用可能です。

既存の電話番号をそのまま継続利用でき、光回線と同時申込みなら簡単に手続きできます。

アンテナ不要でテレビが楽しめる

光回線を導入すると、アンテナ不要でテレビが楽しめるというメリットもあります。光ファイバーケーブルを通じてテレビ信号を配信するため、従来のアンテナ設置工事が必要ありません。

台風や強風などの自然災害でアンテナが損傷する心配もなく、高額なアンテナ設置費用も不要です。

通信容量の制限なし（従量課金制を除く）

光回線を導入するメリット5つ目は、通信容量の制限がないことです。（従量課金制を除く）

オンラインゲーム、テレワークなど大容量通信を必要とする用途でも、制限を気にすることなく快適に利用できます。

インターネットを頻繁に利用する人や、大人数でインターネットを使う家庭にとっては大きなメリットになるでしょう。

スマホとのセット料金が提供されるケースもある

光回線を導入するメリットには、スマホとのセット料金が提供されるケースもあるということが挙げられます。

例えば、ドコモ光はスマホとのセット割で月額料金が最大1,100円割引されます。さらに、家族全員が同じキャリアのスマホを利用している場合、セット割による割引額でさらに通信費用を安くすることが可能です。

Wi-Fiルーター使用時も通信速度が速い

光回線を導入するメリットの最後は、Wi-Fiルーター使用時も通信速度が速いことです。光回線の高速性能は有線接続だけでなく、Wi-Fi経由の無線接続でも高い品質を保持します。

家族全員がスマートフォンやパソコンなどを同時使用しても、光回線の豊富な帯域により各デバイスで快適な高速通信を利用できます。

光回線を導入する7つのデメリット

光回線を導入する7つのデメリットは以下の通りです。

モバイルルーターのように持ち運べない

光回線を導入するデメリット1つ目は、モバイルルーターのように持ち運べないことです。

光ファイバーケーブルによる固定回線のため、利用場所は自宅内に限定されます。そのため、カフェやコワーキングスペースなど、外出先で作業する人にとっては大きなデメリットです。

しかし、自宅でのインターネット利用が中心であれば、光回線の高い安定性と速度がむしろ大きなメリットとして機能します。

初回導入時は工事が必要

光回線を導入するデメリットには、初回導入時は工事が必要なことも挙げられます。光ファイバーケーブルを自宅まで引き込むため、多くの場合開通工事が必要となります。

工事は立会いが必須で、平日だけでなく土日祝日も対応可能ですが、スケジュール調整が必要です。

賃貸物件では、事前に大家や管理会社の許可が必要です。ただし、既に光回線設備がある場合や過去に利用歴がある場合は、工事不要で使えることもあります。

他回線に乗り換える際は違約金が発生するケースもある

光回線を導入するデメリット3つ目は、他回線に乗り換える際は違約金が発生するケースもあることです。

多くの光回線サービスは2～3年の契約期間があり、途中解約で1～2万円程度の違約金が発生します。

短期利用には不向きですが、近年は契約期間の縛りがないサービスも増えているため、申込み前に条件をしっかり確認することが重要です。

エリアや建物次第で導入できないケースもある

光回線を導入するデメリットには、エリアや建物次第で導入できないケースもあることです。

光回線の提供エリアは事業者によって大きく異なり、特にauひかりやNURO光などの独自回線は特定地域に限定されています。

契約前には各事業者の提供エリア検索で住所が対応エリア内かを必ず確認し、賃貸物件では大家さんや管理会社への工事許可相談が不可欠です。

開通までに2週間以上の期間がかかる

光回線を導入するデメリット5つ目は、開通までに2週間以上の期間がかかることです。工事予約の混雑状況や建物の設備状況によっては、さらに長期間かかる場合があります。

特に引越しシーズンや新生活スタート時期は工事予約が混雑するため、より長い待機期間が発生する可能性があります。

時間帯によっては通信速度が低下するケースもある

光回線を導入するデメリットとして、時間帯によっては通信速度が低下するケースもあることです。

夜間や休日など多くのユーザーが同時にインターネットを利用する時間帯には、回線混雑により通信速度が低下する場合があります。

特に集合住宅では、同じ建物内の住民が同時にインターネットを利用することで速度低下が起こりやすいです。

ただし、多くの光回線事業者では帯域増強や混雑対策を積極的に実施しており、以前と比較して速度低下の問題は大幅に改善されています。

他の回線より料金が高くなる可能性もある

光回線を導入するデメリット7つ目は、他の回線より料金が高くなる可能性もあることです。

各回線の月額料金を比較すると以下のようになります。

回線方式	月額料金
光回線	4,000～6,000円
ホームルーター	4,000～5,000円
モバイルWi-Fi	3,500円前後
CATV	4,000～6,000円
ADSL	2,000～4,000円

光回線は他の回線に比べて高額となっています。しかし、光回線はデータ容量が無制限で利用できるため、大容量通信を頻繁に行う人にとってはコストパフォーマンスが優れているといえるでしょう。

光回線の導入がおすすめの人

光回線の導入がおすすめの人を、以下の4つに分けて詳しく解説します。

オンラインゲーム・動画配信をストレスなく楽しみたい人

光回線の導入は、オンラインゲーム・動画配信をストレスなく楽しみたい人におすすめです。

光回線の高速通信により、高画質動画視聴やオンラインゲームなど大容量データ通信も快適に利用できます。

光回線は有線接続により電波干渉を受けず、いつでも高速で安定した通信を利用できるため、オンラインゲームプレイ中の通信トラブルを抑えることが可能です。

オンライン会議・ビデオ通話の頻度が高い人

光回線の導入がおすすめの人には、オンライン会議・ビデオ通話の頻度が高い人も挙げられます。

光回線は高速で安定した通信が可能なため、高画質映像と明瞭な音声で相手と円滑なコミュニケーションが可能です。

持ち家（戸建て・マンション）に住んでいる人

光回線の導入は、持ち家（戸建て・マンション）に住んでいる人にもおすすめです。賃貸物件と異なり工事許可の取得や原状回復の心配がないため、より自由に光回線サービスを選択できます。

特に戸建ての場合は専用回線による高速通信を利用でき、工事の自由度も高いため、より最適な通信環境を実現できます。

自宅内のインターネット利用者が多い家庭

光回線の導入がおすすめの人として、自宅内のインターネット利用者が多い家庭の人も挙げられます。

光回線はデータ容量に制限がないため、家族全員でインターネットを使っても安心です。

Wi-Fiルーター経由でも高速通信が維持されるため、各デバイスで同時に快適な通信が行えます。

光回線の導入がおすすめできない人

光回線の導入がおすすめできないのは以下のような人たちです。

月額料金の安さにこだわりたい人

光回線の導入は、月額料金の安さにこだわりたい人にはおすすめできません。光回線の月額料金はADSLやモバイルWi-Fiと比較して高額になることが多く、コスト面ではデメリットです。

ただし、光回線はデータ容量が完全無制限で利用できるため、大容量通信を頻繁に行う人にとってはコストパフォーマンスが優れている場合があります。

月額料金だけでなく、自身のインターネット使用量や必要な通信品質を総合的に考慮して選択することが重要です。

ライフスタイルの変化が激しい人

光回線の導入がおすすめできない人には、ライフスタイルの変化が激しい人も挙げられます。

多くの光回線サービスでは2年または3年の契約期間が設定されており、期間内の解約時に違約金が発生します。

転勤や引越しが多い職業の人、短期間での住居変更が予想される人には、この制約が重荷となるでしょう。

このような人には、契約期間の縛りがない光回線サービスや、モバイルWi-Fiなどの柔軟性の高いサービスの検討をおすすめします。

光回線を選ぶ6つのポイント

光回線を選ぶポイントを6つ紹介します。

実質的な月額料金で選ぶ

光回線を選ぶポイント1つ目は、実質的な月額料金で選ぶことです。基本月額だけでなく工事費や割引を含めた総合コストで判断しましょう。

例えば、基本月額が高くても特典が充実していれば実質負担は安くなり、逆に基本月額が安くても工事費等が高額だとトータルコストが高くなります。

平均通信速度（実測値）で選ぶ

光回線を選ぶポイントには、平均通信速度（実測値）で選ぶことも挙げられます。カタログなどに記載されている最大通信速度は技術規格上の理論値であり、実際の利用環境では異なる速度となります。

一方、実測値は実際のユーザーが測定した速度データの平均値で、より現実的な性能指標です。

通信速度測定サイトや口コミサイトで公開されている実測値データを参考にして、回線やプロバイダの性能を確認しましょう。

スマホとのセット割の有無で選ぶ

光回線を選ぶポイント3つ目は、スマホとのセット割の有無で選ぶことです。多くの光回線事業者が、特定のスマホキャリアと連携した割引プランを提供しています。

例えば、ドコモ光ではスマホとのセット割で月額料金が最大1,100円割引されます。家族全員が同じキャリアのスマホを利用している場合、複数回線分の割引が適用され、年間数万円の節約が可能です。

現在利用しているスマホキャリアと連携可能な光回線を優先的に検討することで、実質的な通信費を大幅に抑制できます。

用途に合うサービスで選ぶ

光回線を選ぶポイントとして、用途に合うサービスで選ぶことも重要です。用途別の光回線選択ポイントを以下の表にまとめました。

用途	重視すべき要素	必要な機能・サービス
オンラインゲーム	低遅延性（ping値）	高応答サービス、IPv6対応
動画配信	アップロード速度	安定した上り帯域、配信特化プラン
ビジネス	信頼性・セキュリティ	固定IP、セキュリティサービス
家庭利用	生活密着サービス	光電話、光テレビオプション

自分の主要な利用目的を明確化し、その用途に合った光回線を選択することが、満足度の高いインターネット環境構築の鍵となります。

提供されるWi-Fiルーターで選ぶ

光回線を選ぶポイント5つ目は、提供されるWi-Fiルーターで選ぶことです。光回線事業者によって、提供されるWi-Fiルーターの性能や対応規格が大きく異なるため事前に提供されるWi-Fiルーターを確認しておきましょう。

特典・キャンペーンで選ぶ

光回線を選ぶポイントとして、特典・キャンペーンで選ぶことも挙げられます。光回線事業者は新規顧客獲得のため、以下のようなキャンペーンを行っている場合があります。

これらの特典により初期費用や月額負担を大幅に軽減できます。ただし、キャンペーン適用には契約期間や指定オプション加入などの条件設定が多いため、事前に適用条件を詳細確認しましょう。

光回線を導入するまでの流れ

光回線を導入するまでの流れについて、以下の5つの手順に分けて解説します。

手順①提供エリア内に含まれるか確認

光回線を導入するために、まず提供エリア内に含まれるか確認をします。光回線の提供エリアは事業者によって異なるため、契約前に必ず自分の住所が含まれているかを確認しましょう。

各光回線事業者の公式サイトでは、住所を入力することで提供エリアの確認ができます。提供エリア外の場合はサービスを利用できないため注意が必要です。

手順②賃貸物件の場合は大家さん・管理会社に導入可否を確認

光回線を導入する際は、賃貸物件の場合は大家さん・管理会社に導入可否を確認することも忘れないようにしましょう。

光回線工事では壁に小さな穴を開ける場合があるため、賃貸物件では必ず事前の許可取得が必要となります。

集合住宅で既に光回線設備が導入されている場合でも、各戸への配線工事が必要な場合があるため、管理会社への確認は不可欠です。

手順③選択した光回線で申し込み手続き

光回線を導入するための次の手順は、選択した光回線で申し込み手続きすることです。インターネットまたは電話で申し込みができ、必要な情報を入力または伝達して契約手続きを進めます。

申し込み時には、住所や氏名などの基本情報に加えて、希望するプランやオプションサービスを選択します。

回線事業者とプロバイダーの両方との契約が必要ですが、光コラボレーションサービスの場合は一括契約が可能です。

手順④工事スケジュールを決定

光回線の導入には、工事スケジュールの決定が必要です。工事には立会いが必要なため、在宅可能な日時を選びましょう。

平日だけでなく土日の工事も可能ですが、土日工事には追加料金が発生する場合があります。

引越しシーズンや新生活スタート時期は工事予約が殺到するため、余裕をもったスケジュールで申し込みを行いましょう。

手順⑤工事当日の立会い・開通

光回線を導入するための最後の手順は、工事当日の立会いと開通を行うことです。工事当日は工事担当者が自宅を訪問して光回線の開通工事を実施します。

工事時間は住宅の状況により異なりますが、通常1～3時間程度で完了します。工事完了後、ONUやルーターなどの接続機器の設定を行えば新しい光回線の利用が可能です。